血栓の種類と脳梗塞時の虚血性変化の要点(脳卒中専門医試験)

脳梗塞の虚血性変化

 脳梗塞時の虚血性変化はトピックとなっています。血栓の種類と虚血性変化の要点を紹介します。また脳脊髄液の循環、介護保険、医師法の要点も紹介します。

血栓の分類

赤色血栓

  • 赤血球、フィブリンに富んだ血栓(静脈血栓)
  • 心原性脳塞栓症の原因となる左房内血栓と関連

白色血栓

  • 血管壁・血管内皮・血液成分とくに血小板が主因となる動脈血栓
  • ラクナ梗塞、血栓性脳梗塞の原因となる

Virchow’s Triad

 血栓形成に関連する3要素(血流・血管壁・血液成分

  • 血流:血流停滞・ずり応力
  • 血管壁:血管内皮・アテロームプラーク
  • 血液成分:フィブリン・白血球・血小板

脳梗塞における虚血性変化

  1. 虚血性脱分極:Na+-K+-ATPaseが抑制→細胞膜電位が脱分極(陽性)方向に傾く
  2. 興奮性細胞傷害:細胞外グルタミン酸興奮→Na+, Ca+の細胞内への流入→細胞障害性浮腫(Na+流入)、細胞傷害カスケードの惹起(Ca+上昇)
  3. 酸化的傷害:フリーラジカル発生→細胞傷害
  4. 二次的微小循環障害
    1. 血管内皮傷害→血小板活性化・凝固亢進・フィブリン産生・白血球活性化→二次血栓が増大。
    2. 血管内皮傷害→血液脳関門破綻→血管原性浮腫の増大→血管内腔を圧迫→脳血流低下
  5. 炎症反応:ダメージ関連分子パターン(DAMPs)が放出→炎症細胞(マクロファージ・Tリンパ球)活性化→炎症惹起→脳組織損傷
  6. アポトーシス:細胞内の組織変化・ストレス上昇→アポトーシス
  7. 内因性の修復反応:炎症反応→損傷脳の修復機転

脳脊髄液の産生・吸収

  • 脳脊髄液の産生は側脳室や第四脳室にある脈絡叢、吸収は静脈洞にあるくも膜顆粒が代表的
  • 実際は毛細血管でも産生され、毛細血管やリンパ管・静脈洞でも吸収が行われている
  • 脳脊髄液の量は約150ml
  • 脳脊髄液の1日あたりの総産生量は約500ml
  • 脳脊髄液の循環:側脳室→Monro孔→第三脳室→中脳水道→第四脳室→Magendie孔・Luschka孔→くも膜下腔→吸収

脳卒中の鑑別

stroke mimicsの代表的な疾患

  • てんかん、片頭痛、脱髄性疾患、中枢感染症、失神、精神疾患、代謝性疾患、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、脊髄・脊椎疾患、薬剤性神経障害

stroke chameleonの代表的な症状

  • 認知症:角回や視床の梗塞、優位半球側の側頭葉梗塞(感覚性失語)
  • 意識障害:脳幹梗塞
  • 単麻痺:前大脳動脈領域の脳梗塞、運動皮質(precentral knob)梗塞
  • めまい:脳幹・小脳梗塞・悪心・嘔吐:くも膜下出血

介護サービス

  • 要介護:介護給付→施設サービスと居宅サービス
  • 要支援:予防給付→介護予防サービス
  • 介護サービスとは別に、2015年に高齢者が要介護状態にならないように総合的に支援する「総合事業」が創設された
  • 介護給付のみのサービスは、施設サービス(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設)と地域密着型介護サービスの一部(定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護))
  • 地域密着型サービスで、認知症対応型通所介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は介護給付・予防給付両方あり
  • 訪問サービス・通所サービス・短期入所サービス・福祉用具貸与・特定施設入居者生活介護は介護給付・予防給付両方あり

医師法

  • 19条:応招義務及び診断書交付の義務
  • 20条:無診療治療等の禁止
  • 21条:異状死体などの届出義務→24時間以内に所轄警察署に届け出が必要
  • 22条:処方箋の交付義務
  • 24条:診療録の記載及び保有

※守秘義務は刑法第134条

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yshima脳神経内科医
認知症専門医の資格を持つ脳神経内科医です。 神経内科専門医・指導医、総合内科専門医・指導医、認知症サポート医。 M.D., Ph.D.