脳小血管病(SVD)の要点(脳卒中専門医試験)

脳小血管病

 脳小血管病(SVD)は6分類あり、動脈硬化性・アミロイド血管症・遺伝性SVDがトピックになっています。特にCADASIL, CARASILの病態・画像特徴は重要です。今回、脳小血管病の要点を紹介します。

SVDの病理学的分類

Lancet Neurol 2010; 9: 689-701.

分類病態特徴
Type1動脈硬化症(または加齢に伴う血管リスク因子関連SVD)フィブリノイド壊死、リポヒアリノーシス、微小アテローム、微小動脈瘤、分節動脈障害
Type2アミロイド血管症(CAA)原発性または遺伝性
Type3遺伝性SVD (CAAを除く)CADASIL、CARASIL、スウェーデン型遺伝性多発性脳梗塞性認知症、MELAS、ファブリー病、RVCL-S、COL4A1または2の変異に起因するSVDなど
Type4炎症性および免疫介在性SVDWegener肉芽腫、Churg-Strauss症候群、顕微鏡的多発血管炎など
Type5静脈性膠原線維症(venous collagenosis)細・小静脈周囲の膠原線維の増生を伴う血管硬化・閉塞
Type6その他SVD放射線後血管障害、アルツハイマー病における非アミロイド性微小血管変性など

CADASIL、CARASIL、CARASALの鑑別

CADASILCARASILCARASAL
原因遺伝子NOTCH3変異HTRA1変異
→TGF-β↑
CTSA変異
→カテプシンA↓
遺伝形式ADAR、1/3は孤発例AD
疫学欧米に多い
有病率0.3%
東アジアに多いオランダ、フランスの家系
症状虚血性脳卒中、前兆のある片頭痛、遂行機能障害を伴う認知障害、精神症状、CADASIL昏睡認知機能低下、歩行障害、腰痛、脱毛症治療抵抗性の高血圧、虚血性・出血性脳卒中、認知機能低下
頭部MRI側頭極、外包の白質病変、皮質下ラクナ梗塞、微小脳出血脳室周囲および深部白質の白質病変。CADASILと類似。U線維・脳梁は保たれている。前頭頂部周囲白質と深部白質の高度白質病変
病理学的特徴血管壁肥厚・狭窄、平滑筋細胞周囲のGOM、NOTCH3細胞外ドメイン沈着血管平滑筋細胞(VSMC)の喪失と顕著なヒアリン沈着。脳の小血管にTGF-β沈着オリゴデンドロサイト前駆細胞の増加。ミエリンの菲薄化・消失

脳小血管病(SVD)のまとめ

SVDのMRI所見

Wardlaw et al. Lancet Neorol 2013

脳症血管病のMRI
  • 左から白質病変、ラクナ梗塞、血管周囲腔拡大、微小出血
  • ラクナ梗塞はFLAIRで周囲高信号、中心部低信号の所見が特徴的

SVDと認知症の関連

  • 脳小血管病は脳梗塞だけでなく、血管性認知症とアルツハイマー病とも関連する
  • 脳小血管病は血管性認知症のうち36-67%を占める
  • 久山町研究では46.6%を占める

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yshima脳神経内科医
認知症専門医の資格を持つ脳神経内科医です。 神経内科専門医・指導医、総合内科専門医・指導医、認知症サポート医。 M.D., Ph.D.