夜の勉強は集中できないと割り切り、その日の復習に時間を使うのが良い

夜の勉強法

 学校や仕事を終えてクタクタになって帰宅する学生や社会人が多いと思います。夜は夕食をとって、入浴して就寝だけという方もいると思います。脳は日中の活動でフル回転し、キャパシティはほとんど残っていません。夜は基本的に知的活動に不利と言われています。しかし勉強時間をできるだけ多く確保するためには夜の時間も活用したいところです。今回は夜に効率的に勉強する方法を解説します。

睡眠時間を6-8時間になるよう就寝時間を決定する

 人の生産性が向上する睡眠時間は6-8時間です。6時間を切ると認知症のリスクが高くなるとの報告もあります。夜遅くまで勉強するぐらいなら早く寝てしまい、朝早く起きて勉強する方が効率良いです。起床時間は出勤、登校時間の関係から大体一定していると思います。つまり6時に起床するなら22時~0時に就寝することになります。私は現在4時30分に起床しているので22時に就寝しています。就寝時間が決まりましたら、帰宅してから就寝まで自由に使える時間がどれだけあるか計算してください。

確保した勉強時間はまずその日の復習に使う

 確保できる時間はいくらだったでしょうか。夕食や入浴、休憩時間を除くと意外に少ないことに気がつくかもしれません。その貴重な時間の振り分けですが、まずは今日1日の復習に優先して使ってください。その日の朝や午前にインプットした知識がきちんと記憶に定着していれば問題ないですが、忘れていれば再度覚え直します。1回目よりも2回目の方が覚えやすいことに気が付きます。できれば復習は就寝前が望ましいです。翌日朝に昨夜覚えた内容をもう一度復習すれば記憶の定着率がかなり向上します。

夜の勉強は単純作業できるものが望ましい

 夜は集中力が落ちていますので、複雑な作業は効率が落ちやすいです。そのため流れ作業的に行える勉強が望ましいです。例えば難しすぎない本を読む、オーディオブックを聴く、1週間前に勉強した内容を復習する、インターネットで情報を収集する、書きかけの原稿を推敲するなどあまり考え込まずにできる勉強を選択するのが良いです。どうしても難しい課題に取り組みたい時は普段の勉強時間の半分で休憩をとるようにします。例えばいつもは集中できる時間が30分なら夜は15分にして2-5分休みをとるようにします。そうすれば集中力を持続して勉強を続けることができます。

勉強効率に影響を与えるもの

  1.  夕食:食事を摂取するとインスリン分泌が亢進し、眠気を催します。効率を上げるなら夕食前に勉強することを勧めます。ただし夜遅くに食事を摂ると睡眠の質が落ち、翌日のコンディションに影響を与えますので、就寝3時間前までには食事を摂ることをすすめます。同様の理由で就寝前のアルコール、コーヒーも原則禁止です。
  2.  瞑想:勉強の合間に5分間行うことで脳のリフレッシュ効果が得られます。方法は人それぞれですが、私は椅子の上であぐらを組み、目を閉じて鼻から意識的に呼吸を繰り返します。その時何も考えないようにしますが、不意に雑念が浮かんでもダメだと思わずに自然に流すようにします。たまに良いアイデアを思いつくことがあり、その際は一時中断して紙に書き込むこともあります。基本は同じ姿勢で続けるようにします。
  3.  入浴:入浴中、入浴直後は体温が上昇し、勉強効率が上がります。その時に覚えたいことを集中的に暗記する方法があります。ただし入浴後1時間経過すると体温が下がり、眠気が強くなります。その時はそのまま寝てしまうことを勧めます。熟眠感が得られ、翌日すっきりした状態で目を覚まします。
  4.  テレビ・スマホ・パソコン:気分転換に短時間見るのは構いません。メールやネットの情報を整理するのは、朝よりも夜の方が適しています。ただし就寝前に見るのは避けるべきです。明るい光を目に入れると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられるため睡眠サイクルを壊す可能性があります。
  5.  日記:その日に達成できたこと、感謝したいこと、役に立ったことを書き記します。日記と言っても構える必要はなく文章量は1行でも2行でも十分です。ただし失敗談を書くことは脳に劣等意識を植え付けますので望ましくないです(後の活動に活かす教訓として書くのは良いですが)。どれほど些細なことでも達成感・貢献感を意識すると、更に前へ進もうという意識に繋がります。脳は睡眠を通して幸せな記憶を保持し、翌日のやる気・活力の素にになります。日記はこれを補助する有益なツールです。ノートでも良いですし、日記アプリでも良いです。私は「10年日記」というアプリを使っています。1年前、2年前の同じ日の日記を並列して見られるので、その時の自分がどのような気持ちだったのかが分かり、振り返りに便利です。

ABOUT US

yshima脳神経内科医
認知症専門医の資格を持つ脳神経内科医です。 神経内科専門医・指導医、総合内科専門医・指導医、認知症サポート医。 M.D., Ph.D.