iPhoneやApple Watchを利用した健康管理

iPhone

 2020年9月iOS14にアップデートされて、ヘルスケアアプリがより健康志向を意識した内容になりました。知的生活を送るためには心身の健康にも注意を払う必要があります。昔は自分でカロリー計算をする、血圧や睡眠時間を手で記録するなどの煩わしさがありましたが、今はアプリを利用することで自動的に記録し統計化されたデータを見返すことができるようになりました。日々の記録を参照できるので健康意識の向上に繋がり、疾患予防にも繋がります。高齢者ほど活用して欲しいシステムです。今回はiPhoneとApple Watchを利用した健康管理について解説します。

ヘルスケアで参照できるデータ

 現在ヘルスケアアプリで記録できるデータは以下の通りです

  • ヘルケアチェックリスト:基礎疾患・服薬内容記録、緊急SOS、転倒検出、異常心拍数通知、終日血中酸素濃度測定、ノイズ通知、手洗いタイマー・リマインダー
  • アクティビティ:スタンド、歩行、エクササイズ時間、歩数、上った階数など
  • バイタル:血圧、体温、心拍数、血中酸素濃度など
  • 栄養:摂取エネルギー、ビタミン、電解質、脂肪、炭水化物、食物繊維など
  • 身体測定値:身長、体重、BMI、体脂肪率など
  • 睡眠:睡眠時間
  • 聴覚:環境音レベル(dB)、ヘッドフォン音量など
  • マインドフルネス:瞑想時間
  • その他:手洗い時間、転倒回数、歯磨き時間など

 実際はもっと項目が多いですが、実用的なものを代表で取り上げました。ヘルスケアチェックリストはiOS14から使用できるようになりました。異常値が出た時の通知機能と、緊急事態が起きた時に速やかに登録された連絡先へ通知されるシステムが補強されました。通知システムはすべてオンにすると煩わしいことがあるので、通知条件の感度を下げるか必要なものだけオンにするのが良いでしょう。

 血中酸素濃度はiOS14から搭載された機能です。Apple Watchを装着していれば自動で24時間測定してくれます。

血中酸素濃度
血中酸素濃度

 結果を見ると、所々SpO2<90%の時がありますが、時間帯を見ると夕方4時など起きている時間が多かったので、測定中に手を動かしてうまく記録出来なかったのだろうと推測できます。気になる時はエラーデータを消しても良いかと思います。

 これらの記録の大半は手動で入力することも可能です。ただ可能なら自動入力してもらいこちらの手間は省きたいところです。次にヘルスケアへの自動入力に便利なアプリを紹介します。

ヘルスケアへの自動入力に便利なアプリ

1.Withings Health Mate

 Withingsの体組成計で体重を測れば、Wi-fi接続で体重・BMI・体脂肪量・骨密度・筋密度・体内水分などのデータを記録できます。記録・保存はHealth Mateを立ち上げるだけです。体重は0.1kg単位で記録されるので日々の体重変化を視覚的に追うことができます。BMIは体重 kg/(身長 m)2で計算され、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」です。22前後が最も病気が少なく、この時の体重を標準体重としています。体重は健康の分かりやすいバロメーターですので毎日測定することを推奨します。

2.Omron Connect

  Bluetooth通信機能搭載のオムロン製血圧計があれば、血圧と脈拍を自動で記録し、血圧手帳も作成してくれます。血圧計には上腕式と手首式がありますが、手首式は脈拍の影響を受けやすいので、上腕式の方が正確です(医師が測定する血圧も上腕です)。正常血圧は120/80mmHg未満、正常高値血圧は120-129/80-84mmHg、高値血圧は130-139/80-89mmHg、高血圧は140/90mmHg以上と2019年ガイドラインから基準が厳しくなっています。ただし高齢者は140/90mmHg未満を推奨しています。血圧は今後ますます厳格なコントロールを求められるでしょう。「Omron Connect」は婦人用体温計、体重体組成計とも連携可能です。

3.Sleep Meister

 睡眠時間、眠りの深さ、寝付き、中途覚醒などを記録できます。睡眠アプリは様々なものがあるため自分の好みで選択するのが良いですが、「Sleep Meister」は有料版を1回購入すれば買い切りですのでコストパフォーマンスが良いです(無料版は広告付きで使い勝手が悪いです)。

 有料ですがAutoSleepとApple Watchの組み合わせも良いです。Apple Watchをつけたまま就寝すれば自動で睡眠時間を測定してくれます。現在、認知症予防で推奨される睡眠時間は6時間以上となっています。

4.Heart Watch

 Apple Watchから脈拍を継続的に測定してくれます。運動中や睡眠中も自動で記録するため運動のペース配分にも利用できます。アラームがHR>100, HR<50/分のため頻回に通知が来て鬱陶しい場合はApple Watchのアプリ設定から上限と下限の数値を変更することをオススメします。

5.Nike Training

 ジョギングはiPhoneやApple Watchで自動記録してくれますが、筋トレは一部しか対応していません。このアプリはトレーニングメニューを選ぶことでエクササイズ時間の記録もしてくれます。筋トレと言ってもデスクワークの合間に行う10分程度の軽いワークアウトもありますので、目的に合わせた使い分けができます。

6.StepsApp

 歩数計はiPhone, Apple Watch両方に標準搭載されていますが、Apple Watchの文字盤に常時歩数が分かるよう設定したかったので購入しました。目標は1日8000歩にしています。

7.Meditopia

 瞑想アプリです。有料で様々な瞑想を試すことができますが、一部の音楽は無料で聞くことができます。瞑想時間を自動で記録してくれますので朝、夜、就寝前に本アプリを利用しています。私の瞑想法は極めてシンプルです。椅子の上にあぐらをかいて目を閉じて鼻から息を吸って口から吐く。瞑想中は何も考えないようリラックスした状態で5分間行います。就寝前は入眠用BGMとして20分利用しています。

8.あすけん

 「認知症予防にオススメできる食習慣4選」でも紹介しましたが、食事内容を登録するだけで、自動的に摂取カロリーや栄養素を計算してくれるアプリです。膨大な数の食品が登録されているため、大抵のものは選択するだけで良いでしょう。有料ですが撮影した写真から食品を自動登録するサービスもあります。

Apple Watchで現在の身体状況を確認

 私が普段使っているApple Watchの文字盤は以下の通りです。

Apple Watchの文字盤
  1. StepsApp:現在の歩数がすぐに分かるようになっています。
  2. Taskuma(たすくま):タスク管理アプリです。上に現在のタスク名、下に残りのタスク数 13が書いてあります。
  3. アクティビティリング:赤→ムーブ時間、緑→エクササイズ時間、青→スタンド時間になっています。
  4. タイマー:勉強をする時に使用する簡易タイマーです。
  5. Heart Watch:心拍数で、左から最低心拍、平均心拍、最高心拍になります。
  6. 気温:左から最低気温、平均気温、最高気温です。
  7. そら案内:降水確率、気温、天気です。
  8. 日付:日付と曜日です。

 ①~③はほぼ定位置ですが、それ以外はバッテリー残量、コンパス、血中酸素濃度に変わることがあります。時計を見るたびに現在のアクティビティや歩数が目に入るので運動習慣が身についていきます。

 将来、心電図機能が実装される予定ですので、不整脈検知も可能になるでしょう。転倒検出通知、GPS機能は高齢者の徘徊対策に役立つ可能性があります。病院の検査情報を取り込むことができれば、AIで疾患をスクリーニングする時代が来るかもしれません。今後、医療施設との連携に期待したいです。

以下の記事も参考にしてください

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yshima脳神経内科医
認知症専門医の資格を持つ脳神経内科医です。 神経内科専門医・指導医、総合内科専門医・指導医、認知症サポート医。 M.D., Ph.D.