特発性炎症性筋疾患の治療まとめ

特発性炎症性筋疾患の治療

 特発性炎症性筋疾患(IIMs)の治療は、悪性腫瘍が併発しているときは腫瘍の治療を優先させます。急性・亜急性間質性肺炎があるときは高用量副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬を併用します。筋症状のみの場合は高用量副腎皮質ステロイドを開始します。今回、IIMsの治療を紹介します。

IIMsの初期治療のアルゴリズム

特発性炎症性筋疾患の初期治療のアルゴリズム

筋炎に対する治療

一般療法・理学療法

  • 急性期は、安静が原則。筋炎の炎症沈静化後に、筋力回復のための理学療法を開始する。食事は、高蛋白・高カロリー食として外傷・感染などの増悪因子を避ける。
  • 副腎皮質ステロイド(1.0mg/kg/日(PSL 40-60mg/日, 2-4週間継続, 原則3分割)
  • 治療が有効なら、副腎皮質ステロイド漸減あるいは、副腎皮質ステロイド漸減および免疫抑制薬併用
  • 治療が無効なら、ステロイドパルス療法+後療法(大量)(メチルプレドニゾロン1g/日を3日間)および免疫抑制薬併用あるいはγグロブリン大量静注療法(IVIG)併用

悪性腫瘍併発例に対する治療

  • 可能であれば、悪性腫瘍の治療を優先させる。治療後に筋炎症状の改善が見られることがある
  • 悪性腫瘍治療後、無効あるいは悪性腫瘍が根治治療不能例に対して、副腎皮質ステロイドおよびIVIG

間質性肺疾患に対する治療

急性亜急性型

  • ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1g/日 3日間)を含むステロイド大量療法に免疫抑制薬1-2剤併用
  • 予後不良の抗MDA5抗体陽性急速進行型にはカルシニューリン阻害薬およびシクロホスファミド間歇静注療法併用

慢性型(3ヶ月以上の経過で進行)

ステロイド中等量から大量療法+免疫抑制薬併用

あるいは

ステロイド中等量から大量療法 単剤

上記治療で改善を認めない場合

  • ミコフェノール酸モフェチル(MMF)
  • リツキシマブ(RTX)
  • JAK阻害薬
  • IVIG
  • ポリミキシンB固定化カラムによる直接血液灌流法(PMX-DHP)
  • 血漿交換療法(PE)

などが試みられる (いずれも保険適用外)

多発性筋炎/皮膚筋炎に合併する間質性肺疾患の治療アルゴリズム

多発性筋炎/皮膚筋炎に合併する間質性肺疾患の治療アルゴリズム