脊髄硬膜動静脈瘻(dural AVF)の要点

脊髄硬膜動静脈瘻

 脊髄脊髄硬膜動静脈瘻は、痙性歩行・間欠性跛行・急性対麻痺を特徴とする脊髄血管障害です。発症は胸髄レベルに多く、MRIで脊髄背側に多数のflow voidを認めるのが特徴ですが、見逃されることが多いです。今回、dural AVFの要点を紹介します。

Takai K et al. J Orthop Sci 24. 2019

AVFの症状

  • 痙性歩行 53%
  • 間欠性跛行 48%
  • 急性対麻痺 33%
  • 下肢末梢から上行する感覚障害
  • 膀胱直腸障害:脊髄円錐症候群によるもの

急性対麻痺

 多くは一過性(85%)。永続性(15%)。長時間立位、入浴時、飲酒時に誘発される(血流増加によるうっ血性脊髄障害)

間欠性跛行

 短い歩行(100-200m)で誘発される(下肢がだるくなり歩けなくなる)←馬尾症候群の間欠跛行とは異なる

 痛みを伴わない下肢筋力低下

AVF以外で誤診された病名

  • 腰部脊柱管狭窄症 45%
  • 異常なし 16%
  • 未知の脊髄病変(脊髄炎など) 10%
  • 前立腺肥大 10%
  • 髄内腫瘍 7%
  • その他 12%

脊髄MRI

 胸髄MRIで所見が認められやすい(灰白質周囲)

  • T2強調で髄内高信号
  • 脊髄腫大
  • 脊髄背側に多数のflow void
  • 撮影された脊髄MRIの部位

AVF診断例

  • 胸椎MRI 78%
  • 腰椎MRI 22%

AVF誤診例

  • 頚椎MRI 6%
  • 胸椎MRI 22%
  • 腰椎MRI 72%

Aminoff Logue Scales

 重症度スケール。点数が高いほど重症

歩行障害

  • 0 normal
  • 1 Leg weakness, No restriction
  • 2 Leg weakness, Restricted activity
  • 3 Need for a cane
  • 4 Need for 2 canes
  • 5 wheelchair or in bed

排尿障害

  • 0 normal
  • 1 Hesitancy, Frequency
  • 2 Occasional incontinence, retention
  • 3 Total incontinence, retention