未破裂脳動脈瘤のリスク・評価のポイント

未破裂動脈瘤

 脳動脈瘤破裂の危険因子は7mm以上のサイズ、ブレブの存在、前交通動脈動脈瘤、内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤です。脳動脈瘤のリスクスコアは3年間の破裂リスク予測スコア、ELAPSS score、UIATSがあります。今回、未破裂脳動脈瘤のリスク・評価のポイントを紹介します。

未破裂動脈瘤の特徴

  • 造影MRAにおける動脈瘤壁の造影効果は、動脈瘤の増大・破裂率の予測に有用である報告がある。
  • 多発性嚢胞腎に合併する脳動脈瘤は、小型・若年で破裂し、多発脳動脈瘤や新生動脈瘤が多い。
  • 大動脈瘤と未破裂脳動脈瘤の合併は、一般人口の約4倍の頻度でみられ、女性が合併しやすい。
  • 脳動脈瘤は、血圧管理・禁煙・禁酒が破裂予防に寄与する。
  • 脳動脈瘤破裂の危険因子は7mm以上のサイズ、ブレブの存在、前交通動脈動脈瘤、内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤
  • 脳動脈瘤破裂の傾向を示す危険因子は女性と高血圧
  • 高齢者動脈瘤の年間破裂率は1.6%と比較的高い。
  • 高齢者未破裂動脈瘤の破裂危険因子:80歳以上、7mm以上のサイズ、内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤
  • 高齢者動脈瘤のクリッピング術の合併症発生率はコイル塞栓術よりかなり高い。

脳動脈瘤のリスクスコア

  • 破裂リスク:3年間の破裂リスク予測スコア(UCAS JAPAN)
  • 増大リスク:ELAPSS score
  • 治療リスク:UIATS

3年間の破裂リスク予測スコア

リスク因子基準スコア
年齢≦70
≧70
0
1
性別男性
女性
0
1
高血圧なし
あり
0
1
サイズ3mm以上7mm未満
7mm以上10mm未満
10mm以上20mm未満
20mm以上
0
2
5
8
位置ICA
ACA or VA
MCA or BA
Acom or IC-Pcom
0
1
2
3
二次瘤なし
あり
0
1
  • 0-3点:Grade I, <1%(3年間の予測破裂率)
  • 4-5点:Grade II, 1-3%
  • 6-8点:Grade III, 3-9%
  • ≧9点:Grade IV, >9%

ELAPSS score

リスク因子基準スコア
SAHの既往あり
なし
0
1
位置ICA/ACA/Acom
MCA
Pcom/posterior
0
3
5
年齢≦60
>60
0
1
人種北アメリカ、中国、ヨーロッパ
日本
フィンランド
0
1
7
サイズ1mm以上3mm未満
3mm以上5mm未満
5mm以上7mm未満
7mm以上10mm未満
10mm以上
0
4
10
13
22
形態均一
不均一
0
4

UIATS

 患者因子・動脈瘤因子・治療因子から構成。治療介入の合計と経過観察の合計を比較し、点数の高い方針を推奨する。

UIATS

脳動脈瘤の治療

 コイル塞栓術クリッピング術
術後30日以内の合併症4.96%8.34%
虚血性合併症2.82%2.52%
出血性合併症0.90%1.23%
術後30日以内の死亡率0.30%0.10%

コイル塞栓術における合併症発生の危険因子

危険因子OR(95%CI)
女性1.06(1.01-1.11)
糖尿病1.81(1.05-3.13)
脂質異常症1.76(1.31-2.37)
心合併症2.27(1.53-3.37)
広頚瘤1.71(1.38-2.11)
後方循環1.42(1.15-1.74)
ステント併用コイル塞栓術1.82(1.16-2.85)
ステントの使用3.43(1.45-8.09)

クリッピング術における合併症発生の危険因子

危険因子OR(95%CI)
年齢1.02(1.01-1.02)
女性0.43(0.32-0.85)
凝固異常症2.14(1.13-4.06)
抗凝固薬の内服6.36(2.55-15.85)
喫煙1.95 (1.36-2.79)
高血圧1.45(1.03-2.03)
糖尿病2.38(1.54-3.67)
心不全2.71(1.57-4.69)
後方循環7.25(3.70-14.20)
動脈瘤の石灰化2.89(1.35-6.18)